コンセプト

海からの大きな恩恵を受け、かつては漁師町として栄えた、いちき串木野市。2011年には「食のまちづくり宣言」を掲げるほど食への取り組みが活発で、実は知る人ぞ知る食文化が豊かな地でもあります。官民で連携し、食を通じて町おこしに取り組む一方、地方特有の悩みはなかなか尽きません。そのひとつが、若い世代が進学や就職で都市圏や市街地へ出ていってしまうこと。そこで、人口流出を食い止めるために若者の雇用の創出や、県外企業の誘致、また市内のIT化やDX化の拠点など、あらゆる角度から地域の活性化を促進する場所として、「MINATOよりあいオフィス」は2022年に誕生しました。
今では、フリーランスや会社員、クリエイター、カメラマン、WEBデザイナー、いちき串木野市で会社を興そうとする起業家など、様々な人たちのワークスペースとして育っています。放課後には勉強をする学生の姿も見えるようになり、若い人が集う場所としても商店街ににぎわいを生んでいます。

いちき串木野市のレトロな商店街を訪れると、街のランドマーク的なモニュメントが迎えてくれます。地元の「さのさ祭り」で女性がかぶる編み笠がモチーフと言われ、幾重にも重なりを見せたアーティスティックな装いです。そんなシンボルから約50mほど足を伸ばしたところに、「MINATOよりあいオフィス」はあります。
昔ながらの商店街が立ち並ぶ一角に位置し、全面ガラス張りの開放的な造り。良い意味で街の景観からは少し浮いた存在となっています。扉を開くと、約200㎡の広々としたワークスペースが広がり、やさしい木目の受付カウンターへ導かれます。まずはここで利用手続きをして、自分の好きな席を選び、自由にご利用ください。気分転換に、休憩に、いろいろとお席を移動して自分にしっくりくる場所を見つけるのも楽しいはず。


受付カウンターは鹿児島県産の木材がふんだんに使用された、ナチュラルで爽やかな設え。フロアの席もそれぞれに違う顔で、商談や打ち合わせに適したソファ席、仕事に没頭できる半個室のデスク席、のんびりくつろげる一人掛けのハイバックチェア席など、お仕事を効率的に集中して行いたい方にも、インスピレーションを受けながらクリエイティブなお仕事を進めたい方にもぴったりです。

コワーキングスペースのおもしろさは、人と人のコミュニティが生まれることにあります。「MINATOよりあいオフィス」の名称に掲げているように、地元の人、新しくいちき串木野市を訪れる人、ここに集うすべての人々が“寄り合い”、新しいイノベーションをワクワクしながら起こしていく…。そんな事例がひとつでもふたつでも生まれ、町の活性化や新しいビジネスの創出、利用者のみなさんの同士のお仕事の発展につながるような出会いを、定期的なイベントなどを通して創出したいと考えています。

MINATOよりあいオフィス1周年記念交流パーティの様子